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ワークライフバランスからワークライフポートフォリオへ(理論編Ⅱ)

Posted on Posted in S1. ワークライフ進化論
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前回、ワークライフポートフォリオフレームワークを解説しました。

ワークライフバランスからワークライフポートフォリオへ(理論編Ⅰ) – 元外資系コンサルタントがなぜ鎌倉で自給的生活をはじめたか?

 

今回は、4象限がそれぞれどのように相互に影響しあうのか、それをどうやって戦略的に活かすかのかについて解説します。

 

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その前に、大切な前提があります。

基本的な原則として、「あるやりたいことがらは、4象限間を移動させようと思ってはならない」というのです。

 

どういうことか説明します。

第2象限にOL、第3象限にヨガをマッピングしていたとします。ヨガのインストラクターになろうと思って、いきなりOLを辞めること、すなわち第3象限にあったヨガを第1象限に移動させよう、ということです。

これはあくまで、基本原則としてはオススメしません。

 

そういう決断をする前に十分自分の内なる声を確かめましょう、ということです。自分の中で今程度のお金を稼ぐことが精神的、生活上の大切なバランス(友達との食事、旅行、美容にかかる費用)を保っていませんか?ヨガのイントラになってそれをしばらく十分賄えない場合にどのくらいワークライフトータルで損失になりますか?ヨガを仕事にするメリットは何ですか?と深く考えてみると、解決策は、第2象限のOLをもっと効率的で働きやすい職場に転職してしまえばよいだけで、そうすることでよりヨガの時間を増やすことができ、この2つのバランスの変化でワークライフの満足がマックスになるんだ、と気づくかもしれません。

 

つまり、はじめのステップとして、4象限は4象限毎にやりたいこを分散させて、それぞれを育てていく、というのがリスクのないアプローチということです。それぞれが大きく育ってきた段階になって、はじめて入れ替え可能かどうか判断していけばよいわけです。

 

さて、その前提の上で4象限同士の影響・シナジーについて説明します。

 

Self Interest(興味・関心)→Making Money(金稼ぎ)、Social Business(社会的事業)、Social Contribution

Self Interest(興味・関心)ーこれは個人的趣味などで、お金にはならないけど自分が心から癒されたり満たされたりする活動です。これを充実させることは実は第1、第2象限つまりProfitableな(お金を稼ぐ)活動に大きな影響を及ぼします。

それは、単に精神的な満足度が仕事を捗らせるということ以上のことです。

 

詳細はまた別途にしますが、これからの時代で”稼ぐ”ためには、自己のオリジナリティが極めて重要になってくるからです。

これまでの社会では、大企業の看板の下、会社の歯車になっていれば多くのお金がもらえていたサラリーマン安定社会でしたが、これからはまったくわからなくなってきます。大企業の不安定化という流れに加えて、テクノロジーと人間との競争という流れも無視できません。わかりやすく言えば、これからはロボットと生産性を競いあう時代になってきます。その時、あなたが(人間として)あなたにしかできないことは何か?これを確立していかなければ食っていけません。そのオリジナリティを育む活動こそが、第3象限Self Interest(興味・関心)に深く関わりがあります。

 

「お金が稼げるか稼げないかという軸を一切取り払ったときに、本当に心の底から好きなことに打ち込む」

これがとても大切な時代になってきています。今まではどうしてもお金のことが頭から離れなくて、会社勤めが忙しくてそういうことができなかったところがあります。

 

 今、大企業で働いて稼いでいる人たちー僕の元同僚たち筆頭にですがー少なからぬ人たちは第3象限が欠落してしまっており、その穴埋めを酒と女と金の浪費という極めて効率的だがクリエイティビティのない強刺激で賄ってしまっています。映画「ウルフウォールストリート」でディカプリオ演じる主人公が巨額の富を築きながら、ドラッグとセックス中毒に陥っていたのは極端な例ではあるものの例外ではなく象徴的です。これでは、この先の個人社会の時代、クリエイティブ時代には生き残っていけないと感じています。

 

このSelf Interest(興味・関心)の活動は、自分というOriginal Brandをつくっていくことになるわけです。そうすることで、Core Competence(競合他者が真似できない能力)を醸成することにつながる。だから、第1、第2領域へ大きな影響力を及ぼすのです。

(ここから、僕の提唱するポスト資本主義時代における経営論ー 顧客志向・競合戦略からの脱却、自分志向経営へと繋がっていきます)

 

Ⅲ. Self Interest(興味・関心)→Ⅳ.Social Contribution(社会貢献)

 

さらに、Self Interest(興味・関心)の追求によって得られるOriginal Brandの発信は、仲間、Communityを形成するようになる。そこから、徐々に仲間と社会に対する働きかけや影響力を及ぼしていくことができます。Individual(個人的)からSocial(社会的)への移行です。そこから意義のある活動がProfitableな(利益を生む)Social Business(社会事業)に発展する可能性があることは言うまでもありませんね。

 

Ⅱ.Making Money(金稼ぎ)→All

 

やっぱり、お金は大事ですね、笑 Ⅲ.Self Interest(興味・関心)もⅣ.Social Contribution(社会貢献)も充実させるためには、お金があるに越したことはありません。結局ワークライフを充実させる上で、お金を稼ぐ=他の活動への投資原資(Investment)を効率的につくる、ということは重要です。

 

そこで最初の原則に戻るわけです。大体「仕事がつまらないから辞めたい」という人たちは、この第2象限と第3象限を混同してしまってドツボにはまります。そうではなくて、今やっている仕事というのは、第2象限である、あるいは仕事を第2象限と位置付ける、そのために転職する、という”割り切り”も戦略です。僕の場合は不動産投資などの不労所得を得る仕事をここに位置付けています。他の3象限に時間を投資するために、少ない時間で稼ぐ柱をつくる、というのは戦略的なアプローチになります。

 

All→Ⅰ. Social Business(社会事業

 

そして、やっぱり矢印の終着点は、Ⅰ. Social Business(社会事業)になると思います。もちろん個人差はあって、この領域が不要とするポートフォリオを組む人だって大勢いると思います。本当に第1、第2象限(お金)がなくても満足出来る人には不要です。

 

ただ、多くの人は、社会に貢献できてお金も稼げたら最高だなあと思っていると思います。しかし、それは最も難しいことです。僕の整理では、他の3象限を育てていく中で、はじめてこの第1領域に昇華していく最終段階のものだと思っています。

マズローの5段階欲求に近いですが、最後は自分自身が社会に貢献している、という状態が最も満足のいくことのひとつではないかと思います。